これまでとこれから
これまで
私たちの社会は、大量生産・大量消費・大量廃棄で経済成長を遂げました。
それは、豊かさと同時に地球温暖化をはじめとする多くの歪みを生み出してきました。
そして、高度経済成長に伴う廃棄物等の増大による不法投棄や公害問題が顕著化していきました。また、1980年代後半からのバブル期には廃棄物排出量が増加し続け、最終処分場の逼迫問題が懸念されてきました。
このような問題を解決するため、1970年の廃棄物処理法の制定を皮切りに、1990年代から循環型社会構築のため、「各種リサイクル関連法案」が制定されていきました。廃棄を当たり前とする廃棄物処理から再資源化の推進と環境負荷の低減が求められるようになったのです。
静脈産業が担う役割
リサイクルを推進していくためには、大量生産・大量消費・大量廃棄という"常識"から脱却する必要があります。そのためには廃棄物を起点としたモノづくり、すなわち廃棄物の再資源化によって、あらゆる廃棄物を資源に生まれ変わらせ再利用できるようにする、高度循環型社会を実現することが必要です。
天然資源を使ってモノを創る産業は、人体の血液循環になぞらえて「動脈産業」と呼ばれています。一方、それらの使用後、廃棄物として回収・処理し、再資源化する産業は「静脈産業」と呼ばれています。
高度循環型社会を実現するためには、「動脈産業」がリサイクルしやすい商品づくりをし、再生資源を積極的に使用するとともに、「静脈産業」は良質な再生資源を安定的に供給するなど、両者の密接な連携が求められています。
業界の現状
産業廃棄物処理業界の市場規模は約5.3兆円。さらに、廃棄物処理・リサイクル業全体として、一般廃棄物処理業や、再生資源卸売業、素材系産業における再生資源利用等までを含めると、12兆円を超える規模という推計もされています。これは、コンビニエンスストアの11兆円、スーパーマーケット業界の13兆円と同規模。ただ、静脈産業は圧倒的に中小企業が多くを占めており、99%以上が従業員100名未満の小規模の企業であるのが実情です。
一方で諸外国では、積極的なM&Aにより数多くの「静脈メジャー」が台頭。従業員が数万人規模の企業も多くあります。日本においても、グローバル市場を視野に業容を拡大している動脈産業の、廃棄物の再資源化・活用を推進していくため、スケール感と信頼性を兼ね備えた「静脈メジャー」の誕生が、待たれているのです。
TREの誕生
「高度循環型社会、脱炭素社会」を実現するため、世界に誇れる環境ビジネスモデル構築を目指し、TREホールディングスは誕生しました。
廃棄物処理業界を牽引するタケエイと、金属リサイクル業界大手のリバーホールディングス(現リバー)による経営統合。これが静脈産業にとってひとつの大きな転機になるように。また持続可能な社会実現の先端に立つ、地球環境を守る新たな企業集団を作っていくスタートとなるように。タケエイとリバーホールディングス(現リバー)の力を合わせ、総合環境企業として「静脈メジャー」を目指します。
これから
私たちは廃棄物の収集運搬からリサイクル、最終処分まで一貫して行うことはもちろん、バイオマス発電や廃棄物からのエネルギー回収などによって脱炭素社会の実現に貢献します。タケエイとリバーホールディングス(現リバー)、それぞれの持つリソースを掛け合わせることによりシナジーを生み出し、地球温暖化や資源枯渇化、廃プラスチック問題などに取り組みます。そして、私たちと志を同じくする企業や地域社会とも手を携え、事業領域をさらに拡大し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。