福島県相馬市における新たな「環境複合事業」が描く未来
福島県相馬市で今、未来を見据えた新たな取り組みが着実に動き始めています。
福島県相馬市内に確保した約85,000坪の広大な敷地にて、TREグループがこれまでに培ってきた再資源化技術を駆使する総合リサイクルプラント「相馬サーキュラーパーク構想」が進行中です。太陽光パネルリサイクル、使用済紙おむつリサイクル、焼却灰等の再資源化事業等、複数の事業を有機的に統合し、地域と密接に連携した資源循環モデルを構築することで、サーキュラーエコノミーの実現に挑戦していきます。
相馬市は2011年の東日本大震災以降も、度重なる福島県沖地震などによって災害廃棄物の大量発生やインフラ再整備という大きな課題に直面してきました。また、太陽光発電の普及に伴う使用済パネルの処理需要の増加、高齢化社会の進展により年々増加する医療・介護現場から排出される使用済紙おむつの処理など、廃棄物への対応も多様化しています。
「相馬サーキュラーパーク構想」では、複数のリサイクル事業を、産官学(動脈産業や大学、そして相馬市を中心とした近隣自治体)との連携により、エネルギー及び産業資源の地産地消モデルの構築を目指しています。また、廃棄物の再資源化率を最大化し、地域の持続可能性を高める革新的なモデルとなるよう取り組んでいます。

「相馬サーキュラーパーク構想」
相馬サーキュラーパーク構想においては、次の事業を柱として産官学が連携することにより、従来のリサイクルの枠組みを超えてエネルギーと産業資源の地産地消モデルを構築します。
太陽光パネルリサイクル事業
太陽光発電の普及に伴い、使用年数を終えたパネルの適正処理は喫緊の課題となっています。相馬サーキュラーパークにおいては、これらのパネルからアルミ・ガラス・シリコンなどを丁寧に分離・回収し、高品質なガラスカレットとして再生利用する先進的な取り組みを進めます。さらに、状態の良いパネルについてはリユース品として販売することも可能です。
使用済紙おむつリサイクル事業
高齢化が進む日本において、医療・介護施設で排出される使用済紙おむつの廃棄量は増加の一途をたどっています。紙おむつは排泄物やパルプ、SAP(高分子給水材)などから構成され、再資源化が難しいため、自治体の焼却炉への負荷や最終処分場の容量不足などが課題となっています。当社は、自治体やメーカー、大学と連携し、使用済紙おむつの燃料化や再資源化の包括的スキーム構築に取り組んでいます。
焼却灰などの再資源化事業
TREグループ内の木質バイオマス発電所から排出される「焼却灰」およびそれを加工した「再生砕石(RC材)」等に二酸化炭素を吸着させるCCUS技術に関する研究開発を山形大学、日本大学と共同で実施しています。また、東北各所の木質バイオマス発電所で排出される焼却灰から再生砕石を生産するため、山形大学との産学共同プロジェクトである有害物質不溶化の研究成果を踏まえ、廃棄物処理機能を大幅に拡充した新工場を事業用地に建設中です。処理・製造プロセスには、山形大学と共同開発した「重金属類の不溶化技術」を導入して不溶化剤を内製化することで、製品の品質向上と原価低減も図り、脱炭素社会の実現に取り組んでいます。
今後の展望~サーキュラーエコノミーパートナーシップ~
2025年2月7日、タケエイは、地元自治体、企業、大学等と協同で「一般廃棄物リサイクル技術推進に関するサーキュラーエコノミーパートナーシップ」(サーキュラーエコノミーパートナーシップ)を締結しました。産・官・学の様々な団体が連携し、それぞれの有する強み・情報・資源を持ち寄って、一般廃棄物の排出抑制、リサイクル及びカーボンニュートラル技術やスキームの社会実装を推進するなど、従来の消費型社会から資源循環型社会(サーキュラーエコノミー)への転換を加速し、地域の特性を生かした循環経済圏の構築を目指すものです。タケエイを含む9団体で発足しましたが、今後も様々なパートナーの参画を歓迎します。
具体的には、「容器包装リサイクル法」対象外のプラスチックをリサイクルする技術開発及び実証、使用済紙おむつの再資源化実証等をはじめとするデータを収集し、動脈産業に提供することで、設備設計や製品設計に役立て、リサイクルしやすい製品の開発、埋め立てゴミの削減につなげます。同時に、再生可能エネルギーを活用した地域のカーボンニュートラル推進等にも取り組むことで、様々な課題やリサイクルニーズに寄り添いながら、産官学連携によるサーキュラーエコノミーへの転換を目指し、高度循環型社会・脱炭素社会の実現に貢献いたします。